ハゲ親父のささやき

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近い将来、陸上短距離シューズのスパイクから「ピン」がなくなるかもしれないこと

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こんにちは、カズノコです。

 

2020年の東京オリンピックを目指している陸上・男子短距離桐生祥秀選手が、履いているシューズが話題になっています。

 

読売新聞2019年9月7日夕刊によると、これまではピンのあるタイプのスパイクが主流のシューズですが、靴の裏にピンのないスパイクでこの夏、試合に臨んだそうです。

 

私には学校での授業でしか陸上競技の経験がないので、ピンのあるシューズなど履いたことはありません。いかにもとげとげして「凶器」になりそうなやつですよね…。

 

たまたま次女が陸上部に入っていたので聞いてみると、練習でも試合でもピン付きのシューズでトラックを走ると、まるで「踏みごたえ」が違うそうです。

 

桐生選手のスパイクを製作しているのは、アシックスです。そもそも、アシックスが1955年に製作した最初の短距離用シューズにはピンはありませんでした。

 

初のピン付きシューズが投入されたのは1964年の東京オリンピックからでした。

 

今季、桐生選手が使用しているシューズは、桐生選手の走りをアシックスが綿密に分析した特注品です。

 

桐生選手自身、高校一年生の頃のランニングフォームは、足のつま先から地面に着地させる「つま先接地」だったそうですが、足や腰に負担がかかったため、足の裏全体で地面をとらえ、つま先から抜けていく「フラット着地」に変えていったそうです。

 

アシックスは、この「フラット着地」に一番適し、地面にまっすぐ力が伝えられるようプレートの剛性を細かく調整し工夫されたシューズを作り上げました。

 

この桐生選手の走りの特徴に合わせた現在使用中のシューズとは別に、2014年から開発を始めているのが「ピンなしスパイク」です。

 

従来は金属製のピンをトラックに刺してグリップを利かせていたが、「ピンが刺さって抜ける時間をなくせば、もっと速くなるのでは」と新たな視点で構想を練りました。

 

採用したのが、六角形の突起をハチの巣のように並べた「ハニカム構造」で、見た目は「フジツボ」に形状が似ています。航空機などにも使われる構造で、独自に開発した高強度かつ軽量なカーボンファイバー素材ハニカム構造を成形し、靴底に取り入れました。

 

試作段階では5ミリ以下の突起を細かく配置し、ピンと同様のグリップ力を実現しました。重さも一足200グラム程度に抑えられ、桐生選手の従来モデル(約240グラム)より軽く、カーボン素材で今までにない複雑な立体構造が可能になったため靴ひももありません。一流スプリンターが接地した際には体重の5倍を超える力がかかるとされますが、それにも耐えられるそうです。

 

肝心の記録の方ですが、2019年8月に福井県の大会でこのシューズで試合に臨んだ桐生選手は、10秒05の好タイムをマークしました!

 

桐生選手も「これまでのスパイクと全く違う。軽さを感じるし、反発力もある」と好感触を得て、その後のヨーロッパ遠征でも着用しているそうです。

 

2020年に開催される東京オリンピックに桐生選手が出場し、この「ピンなしスパイク」で金メダルを取るようなことが起きたら…シューズからピンがなくなるのが主流になるかもしれませんね。

 

桐生選手のツイッターでもこのスパイクについてユーチューブ動画が配信されているので、ぜひご覧になってください!

 

 


次世代スパイク / Yoshihide Kiryu

 

 

「 ピンなしタイプ」はまだ試作品段階ですが、桐生選手の現行モデルは販売されています。