ハゲ親父のささやき

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壮大なサーガの幕開けにしては、らしくない設定に困惑…「スター・ウォーズ/ファントム・メナス」

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こんにちは、カズノコです!

 

 

 

スター・ウォーズジェダイの帰還」(1983)から16年ぶりに、時系列ではエピソード1となるスター・ウォーズファントム・メナス(1999)が公開された時の気持ちですが、「待たされた~!」という感じは思ったよりなく、世間のこの映画を取り巻く狂騒よりずっと冷めてましたね…。

 

 

 

自分の中では「スター・ウォーズ」は旧三部作(オリジナル・トリロジー)で終わっていた感じでしたからね…。まず、副題の「ファントム・メナス」ってなんやねん?日本語に訳すと「見えざる脅威」ってもっとわからん…。シリーズを通して考えるとなかなか含みのある意味深な言葉なのですが、シリーズの中でこの副題だけ英語の原題をそのままカタカナにしているのは芸がないなぁ…。

 

 

 

で、公開時に観た時の率直な感想は…こども向けにわかりやすいところとおとな向けのわからないところの落差ありすぎ!

  

 

 

アナキン・スカイウォーカーが物語の中心になることはわかってはいましたが、アナキンを演じるジェイク・ロイドが、撮影時の年齢が9歳ということもあり、あまりにも幼いんですね…。

 

 

 

何せナタリー・ポートマン演じるパドメ・アミダラと初めて会った時の第一声が「天使なの?」ですから…。ナタリー・ポートマンが実年齢ではジェイクより8歳年上で、この二人がキャッキャッとはしゃいでいる姿を見ていると、この先この二人が恋に落ちて結ばれるの?…とやや複雑な思いがしました。

 

 

 

アナキンは言動が幼いにもかかわらず、どこでそんな知識身につけたの?と思うくらいエンジニアとしてはめちゃくちゃ優秀なところもギャップあり。C-3POが廃物からアナキンの手で組み立てられたロボット(ドロイド)だったという事実はちょっとショックでしたね…。

 

 

 

R2-D2が、最初からいつもながらの仲間の絶体絶命の危機を救う大活躍をするのと比べると、C-3POの扱いはだいぶ落ちますよねメカむき出しで未完成ですし…。旧三部作のようにケンカしながらも実は相手のことを気にかけている絶妙な関係もまだありません。

 

 

 

この映画でC-3POに代わるコメディアン的な役回りを果たすのは、あの悪名高きジャー・ジャー・ピンクスなんでしょうが、映画史上もっとも不愉快なキャラクター1位」に選ばれたのもわからなくはない…。また、このジャー・ジャーがジョージ・ルーカスの最もお気に入りのキャラクターというのが涙を誘います…。

 

 

 

この新三部作ではILMのデジタル映像技術がふんだんに注ぎ込まれ、新しく登場したエイリアンやロボットのほとんどがCGで表現されています。アナキンの雇い主であるワトーやポッドレーサーのセブルバらはヒトがスーツを着て演じることができないようなデザインをあえて排除しているような気がします。

 

 

 

ジャー・ジャーはヒト型エイリアンでありながらフルCGで表現されているためか、本来はおかしみを感じる動きがわざとらしく、かえって親しみがわきにくい要因となっているのかもしれません…。あの耳障りな声もなんだかなぁ…。

 

 

 

手に汗握るポッドレースライトセーバーのチャンバラがこどもも喜ぶわかりやすさだとしたら、おとな向きに設定された映画の本筋のわかりにくいこと!

 

 

 

スター・ウォーズ」の映画のタイトルの後に、おなじみとなった宇宙の彼方にゆっくりと飛び去っていく黄色い文字で書かれた文章(オープニングクロール)では物語の直前のできごとを説明するんですが、実を言うと私はこれが大の苦手で、物語の背景をわかりやすくしようとしているんでしょうが、いつも頭にさっぱり入ってこないんですね…。

 

 

 

この「ファントム・メナス」で書かれていた文章の一部を抜き出すと辺境の星との交易での課税の是非で意見が割れたのだ。 貪欲な通商連合は恐るべき宇宙戦艦の包囲で事態解決を図り小さな惑星ナブーへの航路を封鎖してしまった… 」って、「交易」…「課税」…「通商連合」…これってホントに「スター・ウォーズ」の世界か!

 

 

 

エピソード1では銀河帝国はまだ存在せず、銀河共和国を形成している数千の恒星系の代表である銀河元老院も混乱を極めている…って、まさに共和制ローマが崩壊し、帝政ローマが誕生する過程をなぞらえてますよね。ジョージ・ルーカスは「スター・ウォーズ」新三部作では「政治の闇のダイナミズム」を描きたかったのかな…とも思えます。

 

 

 

ここでの主役はナブー選出の議員パルパティーンです。彼はこの「ファントム・メナス」では銀河元老院の最高議長の座に着きますが、彼こそが「見えざる脅威」そのものでしたね…。「ファントム・メナス」ではまだ脅威は表面には現れてはいません。新三部作はこのパルパティーン、つまり、ダース・シディアスがじわじわとのし上がっていく過程を描いた物語とも言えますね…。

 

 

 

映画の終盤、通商連合とナブー義勇軍の盛り上がりに欠ける戦いがダラダラ続いた後、いきなり目の覚めるような素晴らしいシーンが飛び込んできます!

 

 

 

そうです…ダース・シディアスの弟子であるダース・モールダブルブレードのライトセーバーを自在に操り、クワイ=ガンとオビ=ワンの二人のジェダイと戦うシーンです!

 

 

まず、容貌からし赤と黒の刺青に短い角が生えていて、誰がどう見てもこいつヤバイ…と思わせるところがよい!さらに、飛び抜けて高い身体能力!シス一人で二人のジェダイライトセーバーをブンブンいわせて互角に戦うシーンはこの映画一番の見どころです!

 

 

 

このシーンが実現したのはなんと言ってもダース・モールを演じたアクション俳優・スタントマンのレイ・パークのおかげですね。スリーピー・ホロウ(1999)では首なし騎士を演じて見ごとな剣さばきを、X-MEN」(2000)では「カエル」のトード役で「素顔」を披露しています。

 

 

 

次作の「クローンの攻撃」以降は、ライトセーバー対決はCGの発達のおかげで、幸か不幸かありえね〜と思うくらいアクロバティックになってしまいましたので、「スター・ウォーズ」全作品で最も見応えのあるこの「ファントム・メナス」の殺陣は貴重です。ダース・ベイダーに次ぐカッコよさを誇るシスの暗黒卿ダース・モールは本編でもっと活躍して欲しかったですね…。

 

 

 

ファントム・メナス」はまるで昔懐かしいエピソード4「新しき希望」のようなハッピーエンドで終わります。ダーク・サイドはまだほとんど姿を現してはいません。この先どんな展開が待ち受けているのか、この時点ではこれほどとは…予想もつかなかったですね…。

 

 

 

 

 

 

 

エピソード1「ファントム・メナス」からエピソード6「ジェダイの帰還」までの本編ディスク6枚と特典ディスク3枚の9枚組です。

 

 

 

 エピソード1「ファントム・メナス」からエピソード3「シスの復讐」までの新3部作=プリクエル・トリロジー、本編ディスクのみの3枚組です。