ハゲ親父のささやき

「親父は何でも知ってはいない」親父がよりよく生きていくためのブログ

シリーズのフィナーレ「スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け」は誰の物語だったのか?

f:id:kazunokotan:20200406020342j:plain

こんにちは、カズノコです!

 

 

 

スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け」(2019)で、1977年の第1作の全米公開から42年、「スター・ウォーズ」シリーズがついに完結!と銘打っていますが、本作を観た人はそれぞれどんな思いをこの映画に対して抱いたのでしょうか?

 

 

 

ところで、映画館ではターミネーター:ニュー・フェイト」(2019)を観た時にも感じたんですが、シリーズを1作目から律儀に観続けているようなオヤジが目立ち、あまり若い人が見当たらない…。「スター・ウォーズ」も、もう若い人が観に行く映画ではなくなってしまったのでしょうか?

 

 

 

定説では、前作「最後のジェダイ(2017)でライアン・ジョンソン監督が「スター・ウォーズ」の既定路線をメチャクチャにしてしまったことにネットが大炎上…真っ青になったディズニーが前々作「フォースの覚醒」(2015)を監督したJ・J・エイブラムスに命じて軌道修正を図ったのが「スカイウォーカーの夜明け」ということですが…..。

 

 

 

 

正確には、当初「スカイウォーカーの夜明け」の監督にはジュラシック・ワールド(2015)で有名なコリン・トレヴォロウが就任していました。ただ、その後トレヴォロウの書いた脚本はことごとくボツになり、結局、ディズニーにクビを言い渡されてしまいます…。

 

 

そこで、またまたJ・J・エイブラムスが再登板となったわけですが、もう既にダメダメ感は出ていますよね…。ウォルト・ディズニー・ピクチャーズは初めから三部作で製作を決定しておきながら、方向性が全然定まってないのですから。トレヴォロウの脚本が次々とダメ出しされたのが物語っています。

 

 

 

J・J・エイブラムスは、間違いなくスター・ウォーズ」が大好きで、大ファンなんでしょう。「フォースの覚醒」にはファンが喜びそうな過去の「スター・ウォーズ」シリーズで登場した懐かしいキャラやモノをこれでもかとぶち込んで、映画は大ヒットしました。

 

 

 

ライアン・ジョンソンも、もちろん「スター・ウォーズ」が嫌いなわけはないんでしょうが、自分の思う新しい「スター・ウォーズを盛り込んだばかりに、大批判を受けることになりました。

 

 

 

J・J・エイブラムスは、ストーリーを破綻なく着地しなければならないという最大の使命を果たすために…結果として、自らが監督した「フォースの覚醒」路線を再び選択することになりました。

 

 

 

要はスター・ウォーズ」シリーズお決まりの展開です。少数の味方が協力者を求めて辺境の星を旅する、協力を得た少数精鋭が大勢の敵が待ち受ける巨大要塞に乗り込む、最後に光と闇の宿命の対決がある…と、「スカイウォーカーの夜明け」はストーリーもビジュアルも、まさしく「王道」をいっています。

 

 

 

これを、どこかで見たようなシーンばかり続く、マンネリでつまらないワンパターンの作品と言ってはいけません。これがまさしく「スター・ウォーズ」なのですから…。「あぁ、やっぱりそうきたか」とニヤッとするのが、正しい見方なのです。

 

 

 

 

【注意!このあと「スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け」に関する重大なネタバレがあります!】

 

 

 

 

 

 

 

何よりも、続三部作では目玉としていたレイが何者か?ということですが、明かされてみれば、こんなのあり?というか、さすがにこれはやらんやろう…と思っていた、まさかのパルパティーンの孫!

 

 

 

まぁ、これで何でレイがあんなに強力なフォースを持っているのか、そして、フォースの暗黒面を度々垣間見るのか説明はつきますが、これをやってしまうと「スター・ウォーズ」シリーズそのものが、パルパティーン自身の一代記となってしまわないか?と、余計な心配をしてしまいます。なにせ、エピソード1「ファントム・メナス」(1999)から最終作である本作まで登場してしまいますからね…。

 

 

 

光(ライト・サイド)のレイに対する闇(ダーク・サイド)のカイロ・レンも頑張ったと思いますよ。カイロ・レンこそ本当は正統なスカイウォーカー家の末裔なんですよね。同じようにダーク・サイドに堕ちたアナキン・スカイウォーカーダース・ベイダーと比べてしまうのはちょっと酷ですが…。

 

 

 

「フォースの覚醒」ではヘタレの中二病キャラだったカイロ・レンが、荒ぶる波浪の砕け散る中、あの「ジェダイの帰還」で爆破され墜落したデス・スターの残骸上で、レイとライトセーバーで闘うシーンは、この映画一番の見どころでしょう。

 

 

 

最後はどう決着をつけようかということで、フォースが万能になりすぎてしまいました…。フォースさえあれば、巨大な宇宙戦艦を墜落させることもできるし、死んだ者を生き返らせることもできるって、ちょっとやりすぎてしまいましたよね…。

 

 

 

ただ、レイと行動をともにするフィンもポーも、扱いが中途半端でしたね…。特に残念なのはフィンもうちょっとマシな活躍させろよ!キャプテン・ファズマとの対決もあっけなく終わるし、なんか思わせぶりな発言だけして「おっ?」と思ったら映画終わってしまうし…。結局のところ、新キャラがイマイチで旧キャラに頼ってしまうのは、シリーズものの宿命なんでしょうかね…。


f:id:kazunokotan:20200406020451j:plain

 

 

 

 

シリーズを締めくくる「スカイウォーカーの夜明け」も、ラストはやはりそこに戻ってきましたか…のタトゥイーンでした。かつて、ルークが未知なる世界へ思いを馳せて眺めていた二つの夕陽を今回はレイとBB-8が眺めています。この感傷的な瞬間を味わえてよかった…と思いましたよね…。


f:id:kazunokotan:20200406020902g:plain

懐かしの「スター・ウォーズ/新たなる希望」(1977)でのタトゥイーンの夕陽

 

 

 

 

 

 「スカイウォーカーの夜明け」は続三部作の最終作であるとともに、シリーズ9作品のフィナーレでもあります。いろいろと不満もありましたが、このラストシーンとジョン・ウィリアムスの音楽で、すべてなかったことにして「ありがとう」という気持ちになってしまった私は、やはり甘ちゃんなんでしょうかね…。