「スター・ウォーズ/帝国の逆襲」は史上最強の続編で、最高にエモーショナルな作品だ!
こんにちは、カズノコです!
「スター・ウォーズ」(1977)はアメリカと日本での公開に1年以上のタイムラグがありましたので、テレビや新聞や雑誌などで話題として結構取りあげられていました。
それに比べると、続編である「スター・ウォーズ/帝国の逆襲」(1980)が公開された時には映画の詳しい内容について、自分が知らんだけだったのかも知れませんが、ベールに包まれていたような気がします。
当時は、夏休みやお正月前に公開前の映画の特集を組むテレビの特番なんかがありましたが、「スター・ウォーズ」クラスにもなると、一本の映画だけで特番が組まれることもありました。
「スター・ウォーズ」に関していえば、SFファンにはおなじみの野田昌宏が、親しみやすい語り口で、熱狂的に語っていたのをよく覚えてます。
「スター・ウォーズ/帝国の逆襲」の特番でも野田昌宏は登場されていて、自身が映画のノベライゼーションを翻訳されていた時、後半訳しながら涙が止まらなかったこと、その内容については絶対話せません!と熱く語っていたのがとても印象的でした。
そんな展開があることを映画を観る前に知ってはいても、この映画の中でダース・ベイダーがルークに告げた衝撃的な事実には、私も映画館でルークと同じようにショックを受け、心の中で「嘘だ〜〜〜!」と叫んでましたね…。
たぶん、最も意外な展開にショックを受けた映画を選んだら、間違いなくベスト10の中に入るだろうと思います。
その予想を裏切る展開もさることながら、「帝国の逆襲」は「スター・ウォーズ」のシリーズの中でも、最も満足のいく素晴らしい作品であり、大好きになる要素がたくさんあります。
まず、「帝国の逆襲」の国際版ポスターのイラストを、日本人イラストレーターの生頼範義が手がけたこと!「スター・ウォーズ」の歴代ポスターの中でも一、二を争う傑作だと思います。
「スター・ウォーズ/帝国の逆襲」(左)と「スター・ウォーズ」(右)のポスター
前作の「スター・ウォーズ」の国際版イラストポスター(ルーク・スカイウォーカーがライトセーバーを頭上に掲げて、レイア姫が片膝ついて横にいるやつ)は、正直なところ、映画とイメージ違いすぎやろう…。
ルークはやたら胸板厚くてこれ見よがしに胸はだけているし、レイア姫は太もも丸出しでポーズもなまめかしいし、これってイメージとしたら、ジョージ・ルーカスがほんとは映画化したかった「フラッシュ・ゴードン」じゃないの⁈
それに比べて、生頼範義の手掛けた「帝国の逆襲」のポスターは、油絵を思わせるタッチと、手前の主人公を小さく背景に敵キャラを大きく配置する構図と、グリーンを基調とした光あふれる宇宙空間の表現が非常に特徴的です。このポスターをスチル写真数枚と未編集のビデオ素材等提供を受けただけで、たった1か月半ほどで描き上げたというのが驚きです!
確かに映画を観終わった後にポスターをもう一度見ると、そんなに活躍しないランド・カルリジアンがけっこう目立っていたり、映画ではほんの少しの登場しかない賞金稼ぎのロボットと医療ロボットが同列で並べられていたり、多少おかしなところもありますが、ほとんど情報がないのに抜群の構成力でモノにした生頼範義は改めてエラいと思います!
次に、「スター・ウォーズ」の映画音楽と言えば、ジョン・ウィリアムスですが、「帝国のマーチ(ダース・ベイダーのテーマ)」が、この「帝国の逆襲」で初めて使われたことです!
メイン・テーマと並び「スター・ウォーズ」シリーズを代表する音楽で、日本のテレビ番組でもメチャクチャ使われていますよね…。「悪」というイメージでの使いやすさとわかりやすさからはメイン・テーマより上かも…。
三番目は、やっぱり「ヨーダ」の初登場でしょう。映画公開前には、その姿は秘密にされていましたので、映画館で初めて観た時は結構びっくりしましたよ…。
新三部作(プリクエル・トリロジー)では、CG化されてダイナミックなライトセーバー戦を繰り広げるジェダイ・マスターのヨーダも、この「帝国の逆襲」では人形感がハンパないですよね…。
ヨーダを演じている(正しくは操演している)のは、テレビ番組「セサミストリート」でクッキー・モンスターやバート等を演じていたフランク・オズです。当初は操演のみの予定でしたが、ヨーダの声がオーディションでは決まらず、結局、あの特徴的な声もフランク・オズが担当することになりました。
表情豊かなCGのヨーダもいいですが、マペットのヨーダ、意外といいですよ。何よりもその仕草がかわいい!ルークの持っていた懐中電灯をチカチカさせて喜ぶところや、それをR2-D2にとられてしまい、持っていた杖でR2-D2をペチペチ叩くところなんか最高です!
第四に、氷の惑星ホスでの帝国軍地上部隊の主力兵器であるAT-ATと反乱軍との雪上での戦いですね。このホスでのシークエンスはフィル・ティペットらによるストップモーション撮影が大活躍しています。
「スター・ウォーズ」でストップモーション撮影と言えば、ミレニアム・ファルコン号の中でチューバッカとR2-D2が興じていたホログラフィックのクリーチャーが盤上で戦う「モンスター・チェス」のシーンが何と言っても有名ですよね。この「モンスター・チェス」は「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」(2015)の中でも再登場しているくらい人気があるんですね。
AT-ATは動物園のゾウの動きを参考にしてストップモーション撮影されたそうですが、反乱軍にワイヤーで脚をぐるぐる巻きにされて、ドッターン! と倒れるAT-ATの姿は何度見てもスカッとします…。
最後に、「帝国の逆襲」はそれまでの映画の続編の常識をことごとく無視していました。
前作で帝国軍は敗北、反乱軍の勝利で終わったのに、本作ではすでに反乱軍は劣勢に立たされて、帝国軍との決戦が映画の冒頭にある…劣勢にあった善玉の逆転劇は最後までなく、実質的に悪玉の勝利で終わる…。
物語としてはダークな内容でもあり、多くの疑問は残されたまま、この作品で明らかになった衝撃的な事実も広く知れ渡った今となっては薄れてしまい、ショッキングでもないでしょう。でも、不思議とフラストレーションがたまることなく、次回作への期待が高まるんですよね。
それは「帝国の逆襲」に登場するすべてのキャラクターにハートに訴えかける魅力があるからではないでしょうか?
ルーク・スカイウォーカーの覚醒と葛藤、ダース・ベイダーの抱える闇の深さ、ハン・ソロとレイアのいがみ合いと恋の行方、ヨーダの奇天烈なたたずまい、いつもながら笑いを誘うC-3POととぼけたR2-D2ら、主要な登場人物はもちろんのこと、ダース・ベイダーの怒りを買うまいとビクつく帝国軍の将校でさえも、私たちの印象に強く残ります。レイアの「オタンコナス」をはじめ、魅力的なセリフもたくさんあります。数あるキャラクターに人間くささを持たせた役割は大きいですよね。
「帝国の逆襲」は次回作へと観客を導く役割に徹した、シリーズの中で、もっともロマンティックで人間味あふれる最強の続編です!
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