ハゲ親父のささやき

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令和版ドラマ「柳生一族の陰謀」でも、やっぱり烏丸少将はスゴかった!

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こんにちは、カズノコです!

 

 

 

NHK-BS「スーパープレミアム」で、吉田鋼太郎主演のテレビドラマ柳生一族の陰謀が、4月11日(土)に放送されました!

 

 

 

1978年に公開された東映の時代劇「柳生一族の陰謀が、歴史がひっくり返るストーリー展開と登場人物の濃すぎるキャラに圧倒され、あまりにも自分の中でインパクトを持った傑作となっていたので、観るまでは一抹の不安があったのですが…。ドラマを観た結果は…大健闘だったんじゃないでしょうか!

 

 

 

映画柳生一族の陰謀は当時、斜陽となっていた時代劇の復活をかけて、東映が総力を挙げてオールスターキャストで製作した時代劇超大作で、当然のことながら大ヒットしました!

 

 

 

徳川幕府三代将軍位を巡る後継争いの中、暗闘する将軍家剣術指南役柳生宗矩を中心とした陰謀と裏切りが錯綜する、まさに時代劇版「仁義なき戦いでした。今回のドラマも、映画の野上龍雄松田寛夫深作欣二の共作によるオリジナル脚本を原案に、大石哲也が脚本を書いています。

 

 

 

2時間を超える映画を1時間30分のテレビドラマにリメイクするので、どうしてもスケールダウンは否めないと思いきや、ポイントを押さえた演出でスピーディな展開で、しかも、あちこちに映画版「柳生一族の陰謀」へのオマージュがあるのが嬉しいですね…。ドラマのナレーションを担当しているのが、映画版で徳川家光の弟、忠長を演じた西郷輝彦だし…。

 

 

 

もちろん、「これより先、親に会えば親を殺し、仏に会えば仏を殺す…」「姿は隠しても獣は臭いでわかりまするぞ」「夢だ、夢だ、夢だ夢だ夢だ〜、夢でござ〜る!」等の印象的な名セリフもしっかりあります! また、映画版とは大きく役割が異なるキャストもあり、映画版との違いと意外性を楽しむことができます!

 

 

 

今回のドラマで主役の柳生但馬守宗矩を演じた吉田鋼太郎も、シェイクスピアギリシア悲劇などの海外の古典作品から蜷川幸雄作品までこなせる舞台俳優としての本領を発揮、映画版の萬屋錦之介とはまた違った存在感を漂わせていました。

 


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歌舞伎出身の萬屋錦之介の場合、他のキャストから浮きまくるほどのセリフ回しと過剰に作りこんだ演技を最後まで押し通しました。この時代がかったセリフ回しが、あのラストシーンのセリフに生かされていくんですね…。

 

 

 

舞台出身の吉田鋼太郎は、始めは剣術指南役として冷静沈着で威厳や風格さえ見せていたましたが、物語が進むにつれ、冷徹で傲慢な一面が現れ、最後には冷血で狂気の極みに至ります。これら宗矩の様々な顔を使い分け、圧巻な演技を見せた吉田鋼太郎あまりにも有名なラストシーンも素晴らしかったですね。

 

 

 

そして、ドラマ版の柳生十兵衛を演じたのは溝端淳平。映画版で十兵衛を演じて、当たり役となった千葉真一と比べるとかなりあっさり目かな…と最初のうちは思っていましたが、ドラマ終盤の宗矩の謀略による根来衆皆殺しに接し、十兵衛は復讐の鬼へと変わります。修羅と化した十兵衛と宗矩との最後の対決は凄みがありました!ある意味、映画版よりエグイかも…。

 

 

 

ところで、根来衆を弔う燃えさかる炎の前に立つ十兵衛の姿は、ちょっと山田風太郎魔界転生でのラストの十兵衛の姿を思い起こしましたね…。同じキャスト、スタッフでドラマ化されないかな…と期待したいところです!

 

 

 

あと「柳生一族の陰謀」では忘れようにも忘れられないあの役もバッチリ登場しましたね…。そうです、「おじゃる言葉」を操る白塗りのなよっとした公家でありながら、めちゃくちゃ腕の立つ剣豪というあり得ない設定の烏丸少将文麿です!

 

 

 

映画版では、ヒルな敵役を演じさせれば並ぶ者のない、実録路線の東映ヤクザ映画の常連俳優である成田三樹夫が演じました。この烏丸少将は濃ゆ~いキャラ満載の「柳生一族の陰謀」の中でも一、二を争う強烈なインパクがありました。

 

 

 

今回のドラマで烏丸少将文麿を演じたのは、波岡一喜波岡一喜といえば、NHKのドラマにもよく出演していますが、テレビドラマ初主演作のライオン丸Gではライオン丸を演じていますから、身体能力は高い!

 

 


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 でもって、このドラマのスタッフはよくわかってらっしゃる…烏丸少将の見せ場がめちゃ多い!

 

 

 

 

柳生一族と合流した根来衆の襲撃を受けるシーンでも、剣の達人である烏丸少将は軽々と敵を斬っていきます。根来衆のリーダーである左源太の背中を続けざまに射る弓の腕前もすごい!後に関西テレビ制作の連続ドラマ化された「柳生一族の陰謀」での「烏丸少将は弓の名手でもある」設定をしっかり踏まえていますね…。

 

 

 

橋を爆破して討死にした左源太を尻目に、「剣呑、剣呑、汚れるとこやった。」と、何食わぬ顔をして盾にした護衛の武士をよけて立ち上がるところなんか、敵役として最高じゃないですか!

 

 

 

映画版では、烏丸少将と柳生十兵衛の一戦は、意外とあっけなく終わってしまうんですよね…。しかも、十兵衛の作戦勝ちというか、「ちょっとそんなのありか…」という後味の悪い終わり方…。

 

 

 

今回のドラマでは、十兵衛と烏丸少将はしっかり正々堂々と勝負して見応えがあります!決着はややあいまいに終わりましたが…。天国の成田三樹夫様も喜んでいるのではないでしょうか…。

 

 

 

あと、柳生一族と新陰流の正統を争う小笠原玄信斎榎木孝明など、シブいキャストもよいですが、やはり時代なのでしょうか?映画に比べドラマの方が女性キャストの活躍が素晴らしい!

 

 

 

柳生茜役の飯豊まりえ阿国役の森田望智根来衆コウ役の香寿たつき、同じくマン役の北香那らはキレッキレの立ち回りと殺陣を見せてくれます!

 

 

 

でも圧巻は、家光の生母於江与を演じた斉藤由貴と乳母御福を演じた美村里江恐るべき女のバトルでしょうね…。ペシッ!扇子で頭を叩いたりして最高にコワい!

 

 

 

いずれにしろ、予想以上に見応えのあった「柳生一族の陰謀面白い脚本と気鋭のキャストとスタッフで、いくらでも新しい時代劇が作れるんだなぁと感心した次第です!

 

 

 

 

 

 

 

「昭和」という時代を強く感じさせる時代劇…時代劇としては「異端」だったのかも知れませんが、徹底的に娯楽に徹した面白さは保証付きです!

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