ハゲ親父のささやき

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「スター・ウォーズ/クローンの攻撃」はダークな雰囲気がたまらんフィルム・ノワールだ!

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こんにちは、カズノコです!

 

 

スター・ウォーズクローンの攻撃(2002)が公開されたとき、映画館で観てまず感じたのは、前作の「スター・ウォーズファントム・メナス」(1999)でも感じたましたが、つかみがとっつきにくいんですね…。

 

 

 

映画はいつもながらオープニングクロールが流れるんですが、年のせいか目が文字を追いかけても内容が頭に入ってこない…。飲み込めないまま映画が始まり、いきなり宇宙船が爆発したので何ごとかと思いましたよ…。

 

 

 

映画の中盤にさしかかりすっかり青年に成長したアナキン・スカイウォーカーパドメ・アミダラの二人が草原でゴロゴロと転がりイチャイチャしている姿を観ていると、あまりに時代錯誤的な若い二人ラクラしてこっちが赤面してしまったわ!

 

 


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ところが、この映画、ブルーレイでテレビで見直したら印象がかなり違う!一度観てあらかたストーリーが頭に入っているので、細かいところに「なるほど…」と感心したり、画面や音響のキレのよさにびっくりしたり…。

 

 

 

ジョージ・ルーカスは新たなデジタルシネマの推進に意欲的に取り組んで、この「クローンの攻撃」で長編映画では初めて完全デジタル撮影を行いました。そのおかげもあってか、映像はもちろん、音声もすこぶるいいんですよね!

 

 

 

クローンの攻撃」を改めて見直して気がついたのですが、思ったよりもミステリー仕立てになっています。先のようなほのぼのとしたシーンはむしろ少なく、映画はパドメの暗殺計画からスタートし、オビ=ワン・ケノービとアナキンのコンビが暗殺者と緊迫感あふれるチェイスを大都市惑星コルサントの夜のネオン街で繰り広げます。ファントム・メナス」よりぐっとダークさが増しています。

 

 

 

この映画での主役は、やはりオビ=ワンだと思いますよ。演ずるユアン・マクレガーも立派なひげをたくわえ 、やっとオビ=ワンらしく…。パイロットしては優秀であるものの「操縦は嫌い」とぼやいたり、弟子として指導しているアナキンに「いつかお前に殺されそうだ」と皮肉を飛ばしたり、直情型のアナキンとは異なった魅力があります。実際、この「クローンの攻撃」ではジェダイの騎士として戦闘能力に秀でているばかりでなく、人との交渉に長けた優秀なネゴシエーター(交渉人)としての一面も見せています。

 

 

 

中盤からはオビ=ワンがハードボイルドかフィルム・ノワールの探偵よろしく、陰謀の根源を探るために惑星カミーノへ単身旅立ち、真相究明に孤軍奮闘する描写にはゾクゾクしますね。賞金稼ぎのジャンゴ・フェットと、雨と波浪でずぶ濡れになり足元がツルツルと滑るなかでの戦いはなかなか見ごたえがあります。

 

 

 

ここで、ジャンゴが自分の宇宙船に乗り込んで逃げる時に、かなりわかりにくいんですが、降りてくるドアに頭をぶつけるシーンがあります。「ドアに頭をぶつける」といえば、「新たなる希望」でドアに頭をぶつけるストームトルーパーが有名ですが、ジャンゴの遺伝子を受け継いだストームトルーパーへのオマージュでしょうか…。

 

 

 

ジャンゴが逃げ込んだ惑星ジオノーシスで、新たなシス卿、ドゥークー伯爵が登場します。演じているのは、おおっ、クリストファー・リーではありませんか!

 


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クリストファー・リーと言えば、言わずと知れた「吸血鬼ドラキュラ」(1958)のドラキュラ伯爵が有名でしょう。映画の出演作品数は250本を越え、「世界で最も多くの映画に出演した俳優 」としてギネスブックにも認定されています。

 

 

 

 

リーのはまり役となったドラキュラ伯爵の映画を私はテレビでしか見てませんが、それはそれは恐ろしかったですね…。あの真っ赤に血走った目と長い牙の生えた口からしたたり落ちる血に染まったドラキュラの顔は、テレビの洋画劇場の来週の予告編で見ただけでもトラウマになりました…。

 

 

 

 

最近ではロード・オブ・ザ・リングシリーズやホビットシリーズのサルマン役やティム・バートン監督の作品に多く出演していますが、リチャード・レスター監督の「三銃士」(1973)のロシュフォール「007 黄金銃を持つ男スカラマンガが印象に強く残っています。気品のある悪役を演じさせたら並ぶ者はないでしょう。

 

 

 

 

イギリスのハマー・フィルムで怪奇映画の大スターとなったクリストファー・リーですが、この「吸血鬼ドラキュラ」でドラキュラ伯爵の宿敵、ヴァン・ヘルシングを演じたのが、ハマー・フィルムのもう一人の看板俳優、ピーター・カッシングです。

 

 

 

そうなんですよ…スター・ウォーズ/新たなる希望」(1977)で、モフ・ターキン総督を演じているピーター・カッシングです!ああ、ハマー・フィルムの二大巨頭が「スター・ウォーズ」シリーズで顔をそろえるとは何たる感慨でしょう…。

 

 

 

二人は無二の親友でもあり、22本の映画で共演しましたが、先の「吸血鬼ドラキュラ」を含め、リーがドラキュラを、カッシングがヴァン・ヘルシングを演じた共演作は3本しかないそうです…。でも、この強力無比のタッグは個人的には永久不滅の組合せだと思います。

 

 

 

さかのぼること1978年の夏、「スター・ウォーズ」を初めて観た時には、ターキン総督のカッコよさにしびれたものでした。銀河帝国軍の軍人として頂点を極め、デス・スターの司令官であるターキン総督は、あのダース・ベイダーさえも一目置いていました。

 

 

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ピーター・カッシング一見冷徹にも見えるクールで知的な風貌と演技は、オビ=ワンを演じたアレック・ギネスとともに、「スター・ウォーズ」の映画としての風格を確実に上げていたと思います。もっとも、アレック・ギネスの方は「スター・ウォーズ」に出演したことを後悔していたようですが…。

 

 

 

ドゥークー伯爵に話を戻すと、かつてジェダイの騎士でありながら、銀河共和国や騎士団に幻滅し、自らの意思で離脱した経緯があります。あくまで自分の理想を追い求めるためにダークサイドの力を得てシス卿となったことから、邪悪さを感じないんですよね…。

 

 

 

リー自身も軍人の父名門貴族の出の母を持ち、第二次世界大戦の従軍経験があります。190㎝を超える長身で、剣術や馬術にも長けていました。知性と気品と高い身体能力を備えていたリーに、信念に基づき自ら独立星系連合を率い銀河共和国に戦いを挑んでいくドゥークー伯爵はピッタリのキャスティングです。

 

 

 

リーはスター・ウォーズ・シリーズについて、「出演するのがものすごく楽しみだ」と、喜びを語っていたそうです。「クローンの攻撃」ではリーは80歳にならんとしていましたが、可能な限りのライトセーバーでの戦いのシーンは彼自身がこなしたそうです…。

 

 

 

ドゥークー伯爵とオビ=ワン、アナキンのライトセーバー対決、そしてついに出ました!…ジェダイ・マスターのヨーダライトセーバーの類まれなる使い手であることがドゥークー伯爵との対決によって判明します!そのまるで覚醒したかのような姿は、伝説となっていた最も見たかったヨーダの姿ではないでしょうか…。

 

 

 

もちろん、銀河共和国と独立星系連合の間で勃発したクローン大戦の描写もすさまじく、画面から一時も目が離せませんが、「クローンの攻撃」も傑作スター・ウォーズ/帝国の逆襲(1980)と同じように次作へ微かな不安を持たせながら「つづく」と終わってしまいます…。

 

 

 

三部作の中間作の宿命とはいえ…だからこそ、次へとつながる面白さがあります!

 

 

 

 

 

エピソード1「ファントム・メナス」からエピソード6「ジェダイの帰還」までの本編ディスク6枚と特典ディスク3枚の9枚組です。

 

 

 

 エピソード1「ファントム・メナス」からエピソード3「シスの復讐」までの新3部作=プリクエル・トリロジー、本編ディスクのみの3枚組です。