ハゲ親父のささやき

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ラグビーからいろいろなことを学んだ…ワールドカップ2019日本大会

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こんにちは、カズノコです!

 

とうとう、ラグビーワールドカップ2019日本大会も終わってしまいましたね…。

 

大会が始まるまでは、正直なところ、せっかく世界のラグビー強豪国が日本に集まるワールドカップでありながら、日本代表が出場する試合のみの盛り上がりに終わるのではないかと、「にわかラグビーファン」の私はちょっと心配していたのですが、まったくの余計なお世話でした…。

 

あっという間に日本中が一大ラグビーブームの渦!に巻き込まれましたね!

 

もちろん、世界のトップチームの選手たちが全身全霊をかけてぶつかりあう試合そのものやグラウンドで繰り広げられる数々のスーパープレーのすごさはもちろんですが、感動を呼んだのは選手のプレーだけではありませんでした。

 

その最たるものが、ニュースでも度々取り上げられましたが、台風で試合が中止となったカナダ代表が釜石市で土砂をかき出す清掃のボランティア活動に励んだことでしょう。

 

すでに1次リーグで敗退が決まっていたとはいえ、被災された方の力に少しでもなろうと体を張って泥をスコップでかき出す選手たちの姿をTVで見た時は、こんなこともあるのかと目を疑ったほどでした。

 

試合でも変わりません。試合終了後に日本式のお辞儀をするチームのなんと多かったことか!

 

3位決定戦では敗れたウェールズは勝利したニュージーランドに対してだけではなく観客席にも感謝のお辞儀を、もちろん「お辞儀」ブームのきっかけを作ったニュージーランドオールブラックスも最後はお辞儀で締め、日本だけではなく世界中のファンの心を打ちました。

 

これらの話題になった一連のエピソードに共通するのが、他者や異文化への尊重=リスペクトだと思います。

 

ラグビーをプレーし、指導するすべての人たちのための基準を示すものにラグビー憲章」があり、その中にはラグビーが持つ大切な5つの基本理念が記されています。それは、

 

「情熱」「品位」「規律」「結束」そして、最も大切で重要な「尊重」の5つです。

 

ラグビーは1チーム15人の選手たちが、ぶつかり合ってボールを争奪するスポーツです。プレーには「情熱」が不可欠ですが、「情熱」だけではラフプレー連発のただのボールの奪い合いになってしまいます。だからこそ、闘争心をコントロールするための「品位」と、ルールを遵守する「規律」が必要になります。

 

また、ラグビーは各ポジションの役割が明確に決められたスポーツでもあります。そこにも「規律」と15人の「結束」が必要です。

 

そして、そのチームの仲間たちだけではなく相手チーム、コーチ、レフェリーと、自分たちを応援してくれるファンをリスペクトしなさい、「尊重」することが最も大切なことなのです、という考え方を教えられ、また、プレーを通じて醸成されるのは自然なことでしょう。

 

それだけに、大会の最後の表彰式で銀メダルを首にかけることを拒絶したイングランド代表の一部の選手やコーチの態度は残念でたまりませんでした…。

 

それも、あのエディー・ジョーンズヘッドコーチまでがです…。首にかけられた銀メダルをすぐさま外して、ポケットに手を突っ込んでいた態度も…。負けても正々堂々と銀メダルを胸に、気落ちしたイングランドの選手やコーチたちを叱咤して欲しかった…。

 

このイングランドの軽率な態度は、理由はどうであれ、優勝した南アフリカに対してどころか、大会を盛り上げてきたすべてのチーム、スタッフ、ファンに対しても全くリスペクトが感じられませんでした。せっかくの準決勝でのニュージーランド戦の勝利までもが傷つけられてしまったようで、後味の悪いものとなってしまいました…。

 

 もう「英国は紳士の国」と言うのは、ラグビーの世界では幻想にすぎないのかもしれませんね…。ただ唯一の救いは、何人かのイングランドの選手が銀メダルを首にかけたままグラウンドに立っていたことです。若い選手のように見えましたが、そんな選手たちがこれからのイングランドを背負っていけたらいいですね。

 

でも、考えてみれば、日本と対戦したスコットランドもたいがいにせーよと思うことがたくさんありましたよね…。

 

まず、台風19号の接近で日本対スコットランドの試合が中止になった場合、スコットランドの敗退が決定する事態に、スコットランド協会は大会側に対する法的措置も辞さない」との報道があったこと。これを受けて発言した同協会のマーク・ドッドソンCEOは、日程を延期しての試合実施を強硬に主張していました。

 

ドッドソンCEOは誤解されていたようですね…。日本は台風での試合中止による決勝トーナメント進出なんか望んでなんかいなかったんですよ。実力でスコットランドに勝利して、前回の2015イングランド大会での雪辱を果たすとともに、日本ラグビー史上初のベスト8になるために試合が中止にならないよう頑張っていたんですね…。フフフ…。

 

大会関係者の努力と日本人すべての願いが通じ、幸いにも日本対スコットランド戦は行われましたが、首を傾げたくなるようなラフプレーが相次いだこと…。とりわけ、スコットランドフランカージェイミー・リッチー!

 

試合後半28分頃、日本の田村優選手とつかみ合いになりましたが、あれは本当にひどかったですよ。リッチーはそれまでのラックの中でもひじ打ちをしていますし、小競り合いの時には田村の頭を蹴っていました。田村が怒るのも無理はない。

 

そんなリッチー選手にレッド・カードどころか(TVで観戦中、『審判どこ見てんだ!』と何度吠えたことか…)、試合後には日本からマン・オブ・ザ・マッチに選出されるし、田村選手とも翌日にはSNSで和解と、さすがノーサイドの精神ここにあり!と感動の嵐のようになっていましたが…。

 

そのTwitterの内容が、

田村:「昨日はありがとう、ちょっととっくみあいになっちゃってごめんね」

リッチー:「君もいいプレーだった。もうわだかまりはないぜ、ブラザー。南アフリカ戦頑張ってくれよ!」

 

って、リッチーは一言も謝りもしないし、「わだかまりもない」と言うのはどう考えても田村の方やろ!…やっぱり私はラガーマンにはとてもじゃないけど気持ちのうえでもなれないな~とつくづく思いましたよ…。

 

喜びも怒りも悲しさも、いろいろなことを教えられたラグビーワールドカップ2019日本大会でした。

 

私のような「にわかラグビーファン」でも、グラウンド内外での選手の振舞いや、ノーサイド後の風景に心が動かされ、ラグビーの持つ素晴らしさに共感を覚えた44日間でした。

 

ラグビーワールドカップ2023はフランスで開催されるとのことで、4年後が待ち遠しい!

 

 

 

 

 

ラグビーの代表チームは国籍にはこだわりません。外国出身の選手たちは、なぜ日本代表となることを選択したのか。ラグビーを通じて日本という国を見直せる本です。

 

 

かなり高価な本ですが、英国の歴史学者が著したラグビーの歴史書の決定版ともいえる一冊です。なぜラグビーはサッカーと異なり世界に浸透しなかったのか、フランスがラグビーの伝統国であるのはなぜか、など日本人の知らないラグビーの世界がまだまだあることがわかります。読み応えあります!

ラグビーの世界史:楕円球をめぐる二百年

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