すべてはこの作品から始まった、シリーズの原点…「ターミネーター」
こんにちは、カズノコです。
「ターミネーター:ニュー・フェイト」(2019)が全国公開されました!
第1作の「ターミネーター」(1984)から35年も経つんですね…。
当時、大学生だった私は池袋の映画館で観たんですが、観終わってすぐに、友だちから先輩から周りの人に「とにかく映画の公開が終わってしまわないうちに絶対に観に行け!」と、興奮してふれまわっていました。
それだけ強いインパクトを受けた映画なんですが、誰でもそうでしょうが、やはりアーノルド・シュワルツェネッガーが演じたターミネーター、通称T-800のあまりのしつこさでしょうね…。
ただひたすらターミネーターがどこまでも追っかけてくる逃げ場のない圧倒的な恐怖はなかなかなもので、シュワルツェネッガーだったからこそ説得力があったと思うんですね。
シュワルツェネッガーは「コナン・ザ・グレート」(1982)で知ってはいたのですが、あまりの大根ぶりと映画の出来もあんまりなこともあって、自分の中では「終わって」いました。
ところが、「ターミネーター」でのシュワルツェネッガーのハマり具合は、映画史においても後にも先にもないんじゃないでしょうか?
でも驚いたのは、シュワルツェネッガーはターミネーターではなく、ターミネーターからサラ・コナーを守る側のカイル・リースを演じる予定だったこと!
シュワルツェネッガーにとっても、監督のジェームズ・キャメロンにとっても、この「ターミネーター」という作品はターニング・ポイントになるのですが、これこそ運命でしょうね…。もし、シュワルツェネッガーがターミネーターではなくカイルを演じていたら…全く想像がつきません!と言うか、想像するだけで恐ろしい…。
「ターミネーター」のストーリーではないですが、その後の歴史は変わっていたかも知れませんね…。
シュワルツェネッガーは、日本で「シュワちゃん」の愛称で呼ばれることもなく、「アリナミンV」や「カップヌードル」のCMにも出ることもない…。
キャメロン監督も「タイタニック」でアカデミー賞監督賞を受賞して「I'm the king of the world!(俺は世界の王だ!)」と吠えることもなかったかも知れません…。
あと、忘れてはならないのはキャメロン監督自身による脚本でしょうか。「未来を変えるために過去の時代に遡る」という話はSFの世界ではよくある話だと思うんですね。
ただこれが、未来の人間とロボットの戦争を映像化するのにお金がかかるので、現代に殺人ロボットがタイムトラベルしてくる話にしたというのが泣けますよね…。
ただ、人類の命運をかけた戦いの決着が、ロサンゼルスのごく平凡な一女子大生の生死をかけた攻防にかかっているという設定は面白かったですねー。決着がつこうかつかまいか、周りの人には全くあずかり知らぬところですので…。
また、カイル・リースが未来から持ってきたサラ・コナーのポラロイド写真のくだりと、ラストのメキシコに旅立つサラとガソリンスタンドの少年との会話はいいですよね。
「嵐がやってくる。(The storm is coming.)」
現実の嵐とこれからの人類の存続を賭けた戦いを象徴する嵐にかけて、これから待ち受ける苦難に満ちた世界に一人ででも立ち向かっていこうとするラストシーンは大好きですね。
当初は、ターミネーターと最後に戦った場所が「サイバーダイン社」の工場で、破壊されたターミネーターの残骸が回収されるという、もろに続編への伏線をはったエンディングだったそうですが、ボツにして撮りなおしたキャメロン監督に拍手です!
B級映画並の低予算で作られた映画なので、特殊効果がチープなのはしょうがないと思います(未来世界の戦争シーンは特にしょぼい!)が、スタン・ウィンストンの担当したシュワルツェネッガーの「崩壊メイク」と、ターミネーターのエンドスケルトン(内骨格)の造型は素晴らしい!
骨格だけになっても執拗に追いかけてくるさまはまさに悪夢としか言いようがない!一粒で二度美味しい、素晴らしいアイデア(⁈)ですよね。
さらに、この映画で絶対はずせないのはブラッド・フィーデルが作曲したテーマ曲!劇中に流れる曲もシンセサイザー1つでやっていて、正直チープなところもあるんですが、映画の雰囲気にめちゃ合っている…。
でも、「ダダンダン、ダダンダン、ダダンダン♪」というターミネーターのテーマが、どれだけ日本のTV番組で使われていることやら!正直もうやめてくれと言いたくもなりますが、あの曲が流れただけで、反射的にシュワルツェネッガーのこちらをギロっとにらみつけるコワい顔が目に浮かびますよね。
ブラッド・フィーデルは「ターミネーター」が初めて担当した映画音楽でしたが、他にこれといった作品が思い出せないんですね。他に「フライトナイト」(1985)(この映画は傑作!)や「トゥルーライズ」(1994)(この映画も傑作!)とか結構あるんですが…。でも、この曲は「ジョーズのテーマ」と並んで、いつまでも耳に残るコワ系テーマ曲としてその歴史に名を残すでしょうね。
最後に小ネタを。警察に保護されたサラ・コナーは、ルームメイトのジンジャーが自分と間違えられてターミネーターに殺されたことを知らされるのですが、その時サラがなんと「信じられへん…」と日本語でしかも関西弁でしゃべっています!たぶん「ジンジャー(Ginger…)」と名前を言っただけなんでしょうが、タイミングも内容も合いすぎてますよね…。「空耳アワー」でした。
「ターミネーター」についてばかりで、「ターミネーター:ニュー・フェイト」について語る余地がなくなってしまいました…。
ついでですので、「ターミネーター」シリーズについて語っていきたいと思います。
シュワルツェネッガーによる「悪役」としてのターミネーターが見られる作品としても貴重ですね。素っ裸で登場するのも素晴らしい!数々の名セリフも原語で確認してください!
シュワルツェネッガーの映画こそ、「吹替」で見るべき、と言う人多数…。
ラグビーからいろいろなことを学んだ…ワールドカップ2019日本大会
こんにちは、カズノコです!
とうとう、ラグビーワールドカップ2019日本大会も終わってしまいましたね…。
大会が始まるまでは、正直なところ、せっかく世界のラグビー強豪国が日本に集まるワールドカップでありながら、日本代表が出場する試合のみの盛り上がりに終わるのではないかと、「にわかラグビーファン」の私はちょっと心配していたのですが、まったくの余計なお世話でした…。
あっという間に日本中が一大ラグビーブームの渦!に巻き込まれましたね!
もちろん、世界のトップチームの選手たちが全身全霊をかけてぶつかりあう試合そのものやグラウンドで繰り広げられる数々のスーパープレーのすごさはもちろんですが、感動を呼んだのは選手のプレーだけではありませんでした。
その最たるものが、ニュースでも度々取り上げられましたが、台風で試合が中止となったカナダ代表が釜石市で土砂をかき出す清掃のボランティア活動に励んだことでしょう。
すでに1次リーグで敗退が決まっていたとはいえ、被災された方の力に少しでもなろうと体を張って泥をスコップでかき出す選手たちの姿をTVで見た時は、こんなこともあるのかと目を疑ったほどでした。
試合でも変わりません。試合終了後に日本式のお辞儀をするチームのなんと多かったことか!
3位決定戦では敗れたウェールズは勝利したニュージーランドに対してだけではなく観客席にも感謝のお辞儀を、もちろん「お辞儀」ブームのきっかけを作ったニュージーランドのオールブラックスも最後はお辞儀で締め、日本だけではなく世界中のファンの心を打ちました。
これらの話題になった一連のエピソードに共通するのが、他者や異文化への尊重=リスペクトだと思います。
ラグビーをプレーし、指導するすべての人たちのための基準を示すものに「ラグビー憲章」があり、その中にはラグビーが持つ大切な5つの基本理念が記されています。それは、
「情熱」「品位」「規律」「結束」そして、最も大切で重要な「尊重」の5つです。
ラグビーは1チーム15人の選手たちが、ぶつかり合ってボールを争奪するスポーツです。プレーには「情熱」が不可欠ですが、「情熱」だけではラフプレー連発のただのボールの奪い合いになってしまいます。だからこそ、闘争心をコントロールするための「品位」と、ルールを遵守する「規律」が必要になります。
また、ラグビーは各ポジションの役割が明確に決められたスポーツでもあります。そこにも「規律」と15人の「結束」が必要です。
そして、そのチームの仲間たちだけではなく相手チーム、コーチ、レフェリーと、自分たちを応援してくれるファンをリスペクトしなさい、「尊重」することが最も大切なことなのです、という考え方を教えられ、また、プレーを通じて醸成されるのは自然なことでしょう。
それだけに、大会の最後の表彰式で銀メダルを首にかけることを拒絶したイングランド代表の一部の選手やコーチの態度は残念でたまりませんでした…。
それも、あのエディー・ジョーンズヘッドコーチまでがです…。首にかけられた銀メダルをすぐさま外して、ポケットに手を突っ込んでいた態度も…。負けても正々堂々と銀メダルを胸に、気落ちしたイングランドの選手やコーチたちを叱咤して欲しかった…。
このイングランドの軽率な態度は、理由はどうであれ、優勝した南アフリカに対してどころか、大会を盛り上げてきたすべてのチーム、スタッフ、ファンに対しても全くリスペクトが感じられませんでした。せっかくの準決勝でのニュージーランド戦の勝利までもが傷つけられてしまったようで、後味の悪いものとなってしまいました…。
もう「英国は紳士の国」と言うのは、ラグビーの世界では幻想にすぎないのかもしれませんね…。ただ唯一の救いは、何人かのイングランドの選手が銀メダルを首にかけたままグラウンドに立っていたことです。若い選手のように見えましたが、そんな選手たちがこれからのイングランドを背負っていけたらいいですね。
でも、考えてみれば、日本と対戦したスコットランドもたいがいにせーよと思うことがたくさんありましたよね…。
まず、台風19号の接近で日本対スコットランドの試合が中止になった場合、スコットランドの敗退が決定する事態に、「スコットランド協会は大会側に対する法的措置も辞さない」との報道があったこと。これを受けて発言した同協会のマーク・ドッドソンCEOは、日程を延期しての試合実施を強硬に主張していました。
ドッドソンCEOは誤解されていたようですね…。日本は台風での試合中止による決勝トーナメント進出なんか望んでなんかいなかったんですよ。実力でスコットランドに勝利して、前回の2015イングランド大会での雪辱を果たすとともに、日本ラグビー史上初のベスト8になるために試合が中止にならないよう頑張っていたんですね…。フフフ…。
大会関係者の努力と日本人すべての願いが通じ、幸いにも日本対スコットランド戦は行われましたが、首を傾げたくなるようなラフプレーが相次いだこと…。とりわけ、スコットランドのフランカー、ジェイミー・リッチー!
試合後半28分頃、日本の田村優選手とつかみ合いになりましたが、あれは本当にひどかったですよ。リッチーはそれまでのラックの中でもひじ打ちをしていますし、小競り合いの時には田村の頭を蹴っていました。田村が怒るのも無理はない。
そんなリッチー選手にレッド・カードどころか(TVで観戦中、『審判どこ見てんだ!』と何度吠えたことか…)、試合後には日本からマン・オブ・ザ・マッチに選出されるし、田村選手とも翌日にはSNSで和解と、さすが「ノーサイド」の精神ここにあり!と感動の嵐のようになっていましたが…。
そのTwitterの内容が、
田村:「昨日はありがとう、ちょっととっくみあいになっちゃってごめんね」
リッチー:「君もいいプレーだった。もうわだかまりはないぜ、ブラザー。南アフリカ戦頑張ってくれよ!」
って、リッチーは一言も謝りもしないし、「わだかまりもない」と言うのはどう考えても田村の方やろ!…やっぱり私はラガーマンにはとてもじゃないけど気持ちのうえでもなれないな~とつくづく思いましたよ…。
喜びも怒りも悲しさも、いろいろなことを教えられたラグビーワールドカップ2019日本大会でした。
私のような「にわかラグビーファン」でも、グラウンド内外での選手の振舞いや、ノーサイド後の風景に心が動かされ、ラグビーの持つ素晴らしさに共感を覚えた44日間でした。
ラグビーワールドカップ2023はフランスで開催されるとのことで、4年後が待ち遠しい!
ラグビーの代表チームは国籍にはこだわりません。外国出身の選手たちは、なぜ日本代表となることを選択したのか。ラグビーを通じて日本という国を見直せる本です。
国境を越えたスクラム-ラグビー日本代表になった外国人選手たち (単行本)
- 作者: 山川徹
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2019/08/07
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かなり高価な本ですが、英国の歴史学者が著したラグビーの歴史書の決定版ともいえる一冊です。なぜラグビーはサッカーと異なり世界に浸透しなかったのか、フランスがラグビーの伝統国であるのはなぜか、など日本人の知らないラグビーの世界がまだまだあることがわかります。読み応えあります!
「阿修羅のごとく」は見た目薄味、中身超濃い目のドラマです!
こんにちは、カズノコです。
宝塚歌劇団の出身で、映画からテレビドラマ、舞台でと温かみのある演技で知られた女優の八千草薫さんが10月24日に亡くなられました。
清楚で優美な存在感のある女優さんで、ある人にとっては三船敏郎と共演した映画「宮本武蔵」三部作のお通役で、またある人にとっては一大ブームを巻き起こしたドラマ「岸辺のアルバム」の主婦役で、さらに最近ではテレビドラマ「やすらぎの里」で演じた往年のスター「姫」役として、それぞれのイメージを持っているかと思います。
私にとっての八千草薫さんは、なんといってもドラマ「阿修羅のごとく」の巻子役ですね…。て言うか「阿修羅のごとく」は当時中坊だったガキの自分に強烈なインパクトを残したドラマでした。
NHKの土曜ドラマ枠の向田邦子シリーズとして1979年1月にパート1として3話が、1980年1月にパート2として4話が放送されました。今からちょうど40年も前になるんですね…。
当時わが家に一台しかないテレビの視聴権は全面的に親父が握っており、親父の好まない番組を見るのは許されませんでした。
それゆえにリアルタイムでこの「阿修羅のごとく」を見たということは、親父からこのドラマを見るのを許されたということになります。
ただ、いまだに親父がこのドラマを見るのを許したのか、理由がよくわからんのですね…。
倉本聰や山田太一と並んで当時の人気シナリオライターであった向田邦子が脚本だったからというわけでもないですね。
向田邦子の代表作で人気ドラマだった「時間ですよ」や「寺内貫太郎一家」がわが家のテレビに映っていたことはただの一度もなかったからです。
ドラマのテーマも男子中学生向けではないですよね…。
ある日、新聞への匿名の投書をきっかけに、四姉妹の父親が浮気をしているどころか、愛人と子どもまでいることが判明。四人は集まって母親を気遣いながら対処について話し合うところからこのドラマは始まります。
向田邦子は女性の本質を「阿修羅」に例えています。阿修羅についてはドラマのタイトルに続いてナレーションとともに毛筆のテロップが流れて説明されます。
阿修羅とは、インド民間信仰上の魔族で、諸天は常に善をもって戯楽とするが、阿修羅は常に悪をもって戯楽とする。天に似て、天に非ざるゆえに、非天の名がある。
外には仁義礼智信を掲げるかに見えるが、内には猜疑心強く、日常争いを好み、たがいに事実を曲げ、また偽って他人の悪口を言いあう。怒りの生命の象徴。争いの絶えない世界とされる。
彫刻では、三面六臂を有し、三対の手のうち一対は合掌他の二対は、それぞれ水晶、刀杖を持った姿であらわされる。興福寺所蔵の乾漆像は天平時代の傑作のひとつ。
たぶん、親父があのドラマを気に入った理由の一つがあのタイトルでも流れていたテーマ曲やないかなと思うんです。なぜなら、親父がよく鼻歌で歌っていたから…!
印象的なドラマのテーマ曲は数々あると思いますが、「阿修羅のごとく」のテーマ曲(後から「ジェッディン・デデン」という名前の行進曲だと知りますが)くらい破壊力のある曲は後にも先にもないでしょうね。
妙に哀愁ただようメロディーを中東の管楽器や打楽器でけたたましい音色と独特のリズムを響き鳴らすこの曲は、メフテルと呼ばれるトルコの軍楽。
一度聴いたら遺伝子レベルで記憶に刷り込まれるほどインパクトのある曲です。この曲を聞いたら反射的に「阿修羅のごとく」と思い出してしまうところが怖い…。
ドラマ自体も、この曲のごとくインパクト十分でした。演出を手がけたのが和田勉であるところがすごい!
実は、和田勉が演出したのは第一話と第三話だけなのですが、その他の話も和田勉が演出してるような自然な統一感があるんですよね…。
NHK退局後の「ガハハおじさん」としての方がひょっとすると有名かもしれませんが、和田勉の演出したドラマはすぐに「和田勉」とわかる特徴があります。
一言で言えば濃ゆいんです。登場人物のクローズアップがやたら多くて、しかも陰影のコントラストが半端ないんですよね。さらに、「ゴゴゴゴゴ…」とか「ドシャーン!」とか効果音を多用するので、まるで実写で劇画を見ているような気分になります…。
四人姉妹の物語というと「若草物語」や「細雪」を思い浮かべるかもしれませんが、向田邦子の描く物語は当然ながら一筋縄にはいきません。演じている女優陣もすごい!
夫に先立たれて生け花の師匠をして生計をたてている長女綱子を加藤治子。サラリーマンの家庭の主婦である次女巻子を八千草薫。図書館の司書で男っ気なしの三女滝子をいしだあゆみ。四女咲子の風吹ジュンはボクサーと同棲しています。
皆さん若くて美しくて何より演技が上手い!この華やかな四姉妹が時には連帯し、時にはお互いを遠慮なく罵ったりするのだからたまりません!
ところで、このドラマは男性陣も素晴らしく豪華なんです。
浮気をする父親に日本映画界の重鎮、佐分利信。次女の夫に最も脂ののった頃の緒形拳。浮気調査をしながら三女に惚れる興信所の探偵に宇崎竜童。
まずは、重厚で貫禄のある佐分利信が父親役を演じたことによって、「あの父親が浮気なんて信じられない…」と、姉妹と同じように観ているこちらにも説得力を持って訴えかけてきたと思うんですよね。
緒形拳は残念ながらパート1のみの出演(パート2は露口茂)ですが、映画「復讐するは我にあり」の頃ですから、あのひょうひょうとしつつギラギラした感じ…いいですよ!
そして、何よりも宇崎竜童ですよ。このドラマの宇崎竜童ほど「かっこ悪いことはなんてかっこいいんだろう」という言葉が合う人はいないですよ!特にパート2では大活躍します!
八千草薫さんそっちのけで「阿修羅のごとく」についてばかりになってしまいましたが、あくまでこのドラマの主役は八千草薫さんで、平凡な主婦という役柄ながら、彼女の周囲も穏やかで済むわけにはなりません…。
機会があれば、ぜひ観てもらいたいドラマです!
昔のドラマを視聴するのはなかなか困難ですが、さすがに名作ドラマとあって「NHKオンデマンド」(有料)でも視聴できます。もし、足を運ぶことができるのなら、全国各地の NHKの「番組公開ライブラリー」(無料!)で視聴することもできます。
エディー・ジョーンズは、ラグビーワールドカップの歴史を塗り替えられるのか⁈
こんにちは、カズノコです。
日本代表が悲願の決勝トーナメント進出を果たし、日本中で盛り上がったラグビーワールドカップ2019日本大会も残すところ、3位決定戦と決勝戦のみとなりました。
決勝トーナメントで日本が南アフリカに破れたのはとても残念でしたが、ワールドカップ三連覇をかけ優勝候補の筆頭にあげられ順当に勝ち上がってきた世界ランキング1位のニュージーランドを相手に、多くの下馬評を覆してイングランドが準決勝で勝利したのには「にわかラグビーファン」である私も正直驚きました。
イングランドといえば、ラグビー発祥の国ですが、4年前の2015イングランド大会では自国開催でありながら予選敗退という悪夢のような屈辱を味わっています。
再起を期したイングランドは、この大会で大躍進を遂げた日本代表のヘッドコーチを務めていたエディー・ジョーンズを招いて、チームの立て直しを図ってきました。
イングランドのエディー・ジョーンズHCはニュージーランドとの試合の勝利後に、「我々は世界最高のチームになろうとプランを立てて2年半準備してきた」と語っています。
エディー・ジョーンズが言う「2年半」とは、この2019日本大会のプール戦の組み合わせ抽選会が行われたのが遡ること2017年5月であり、イングランドとニュージーランド双方のチームが順当に勝ち上がれば、決勝トーナメントで激突することをこの時点で見越して準備していたということになります…!
両チームの通算成績はニュージーランドの33勝7敗1分けでイングランドを圧倒しており、イングランドが頂点に立つためには、どうしても越えなければならない壁だったともいえるでしょう。
このエディー・ジョーンズHCは、日本との縁がとても深く、日本でもおなじみの顔ですよね。父はオーストラリア人、母は日系アメリカ人2世のハーフで、エディー本人はクォーターになります。奥さまのヒロコ夫人は日本人の日本語教師です。
エディーはラグビーの選手としてオーストラリア代表に選出された経歴はありませんでしたが、現役を引退し、ラグビーの指導者としてスタートを切ったのは日本で、東海大学ラグビー部監督として来日したのがすべての始まりでした。
その後、サントリーやオーストラリアのラグビーチームのコーチを経て、オーストラリア代表ヘッドコーチに就任し、自国開催となったワールドカップ2003オーストラリア大会で決勝戦までコマを進めます。決勝戦の相手はなんとイングランドで延長戦までもつれるも敗北してしまいます。イングランドはこれがワールドカップ初優勝でした。
その後もエディーはオーストラリア代表HCを務めますが、成績不振により更迭。紆余曲折を経て、2007年南アフリカ代表のチームアドバイザーに就任。ワールドカップ2007フランス大会での南アフリカの2度目の優勝に貢献します。この時の相手チームもなんとイングランド…。因縁を感じますね。
その後、サントリーのGM兼HCを務め、日本選手権優勝とトップリーグ制覇を達成し、いよいよ日本代表のHCに就任します。
日本代表は2015イングランド大会の初戦で南アフリカ相手に「史上最大の番狂わせ(ジャイアントキリング)」と言われた劇的な勝利をあげました。
この試合、日本が3点ビハインドで迎えた終了間際に南アフリカからペナルティをとり、同点キックのチャンスを得ます。HCのエディーからの指示はキックでした。ところが、選手はキックの指示に従わずスクラムからのトライを選択します。
エディー・ジョーンズHCは「日本ラグビーを変えるには、ワールドカップで勝つことがすべて」とワールドカップでの勝利に強いこだわりをみせていました。
また、「よく言われる『ノーサイドの精神』だけでは足りない。ラグビーをしている限り勝たなければいけないのだから」とも述べています。
選手はエディーの指示に逆らったわけではなく、常日頃から「勝ちにいく」との意識をエディーから植え付けられていたので、ここはまさにその「勝ちにいく」状況やと自然に判断してスクラムを組んだんですね…。
ここからあの劇的な逆転トライが生まれるのですが、この時日本代表のプロップとして出場していた畠山健介選手の裏話では、グランドの選手たちがキックの指示に従わなかったことを見たエディーは、思わず頭につけていたヘッドホンを叩きつけて壊したくらい激怒したそうです…。トライが決まってホントよかったですね(笑)
エディー・ジョーンズHCは、ニュージーランド戦の勝利でこれまで指導者としてかかわったワールドカップでの戦績を26勝2敗1分(1分けは台風19号による試合中止)としています。なんと2敗しかしていないんですね…1敗はオーストラリア代表HCの時のイングランドとの決勝戦、もう1敗は日本代表HCの時の因縁のスコットランド戦です…。
ワールドカップ2019日本大会の決勝はいよいよ11月2日!決勝でぶつかる南アフリカは並外れたフィジカルを持ったFWと堅実な防御を誇り、準決勝では欧州ナンバー1のウェールズを下して決勝戦に臨みます。
かつて南アフリカ代表のスタッフでもあったエディー・ジョーンズは、徹底的に相手を研究し、いかにして「勝ちにいくか」策を練っているに違いありません。
準決勝のニュージーランド戦の後に、エディーはこうも言っています。「歴史はまだ作られていない。来週の試合が残っている」と。
ワールドカップの歴史において、前の大会で予選敗退したチームが次の大会で優勝したことはいまだないそうです。ワールドカップの歴史を塗り替えて、エディー・ジョーンズが頂点に立つ日となるのでしょうか?
チームを勝利に導くための方法論をエディー自身が自ら書き綴った一冊。あの「ヘッドホン叩きつけ事件」に対するエディーの「告白」も本書の最後で語られます…。
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エディー語録をまとめたもので、わかりやすい含蓄のある言葉はどのページからでも読めます!読みやすさは一番かも…。
ラグビー日本代表監督エディー・ジョーンズの言葉―世界で勝つための思想と戦略
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エディーへの10時間以上にもおよぶインタビューから引き出されるコーチング、組織論。巻末に「エディー・ジョーンズが選ぶ指導者なら読んでおきたい15冊」の特別付録!選ばれた本のジャンルの広さに驚き!
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80年代の坂本龍一は日本のスティーリー・ダン?「音楽図鑑 2015 Edition」
こんにちは、カズノコです。
CDを整理していたら、坂本龍一の「音楽図鑑-2015 Edition」を買っていたにもかかわらず、2枚組のディスク2をきちんと聴いていなかった(!)ので、久しぶりに聴いてみました。
「音楽図鑑」は、1984年10月に初回発売されましたが、当時のCDで3,800円もしていたんですよね…。
当時大学生で常に金欠状態であった自分にとっては、CDは高価な買い物でした。欲しいCDがあってもすぐには買わずにあれにしようか、これにしようか迷いながら買っていました。
当時買ったCDで覚えているのが、ロバート・パーマーの「プライド」で、そのCDでも3,500円でしたから、「音楽図鑑」は自分でも思い切って買ったCDでしたね…。
当時は、イエロー・マジック・オーケストラ(YMO)が好きで、YMOに関するモノを探しては見たり、聞いたりしていました。
坂本龍一もNHK-FMの「サウンドストリート」という音楽番組の火曜日のDJというかパーソナリティをやっていました。その番組内で自分のアルバムの曲を何度も紹介してましたので、その流れで購入したんだと思います。
ちなみに、坂本龍一の「サウンドストリート」で目玉企画だったのが、リスナーが作った自作自演のデモテープを募集して番組内で流していた「デモテープ特集」でした。
そんなこんなで大枚をはたいて買った「音楽図鑑」でしたのでよく聴いてました。中でも自分が一番好きだったのは2曲目の「ETUDE」でした。
レゲエのリズムで始まり、曲の途中で4ビートのジャズのリズムに変わり、また元のレゲエのリズムに戻って終わる曲の構成と、サックスやクラリネット、トロンボーンのアンサンブルが気持ちいい!
坂本龍一やYMOともゆかりの深い音楽評論家のピーター・バラカンが、「ETUDE」の曲の構成(レゲエ→ジャズ→レゲエ)について、スティングが1987年にリリースした「ナッシング・ライク・ザ・サン」に収録されていた「イングリッシュマン・イン・ニューヨーク」が同じ構成ですね、と言及されていたことも印象に残っています。
「音楽図鑑-2015 Edition」のライナーノーツに、この「ETUDE」に関するトラックシートが掲載されており、レコーディングにまつわるエピソードが書かれていました。
それによると、レコーディングに参加した清水靖晃が、ソプラノ・サックス、アルト・サックス✕2本、テナー・サックス✕2本、バス・クラリネットの6声のアンサンブルを一人多重録音により演奏しており、曲の途中で4ビートになる部分はいかにもジャズのセッションの感じに聞こえるが、その当時は坂本龍一も清水靖晃も一人でスタジオに入って一人でダビングしていく行為に入り込み、みんなで演奏することがなくなっていたとのこと!
うーん、いい感じのセッションかと思っていたのに、レコーディングではだいぶ違っていたんだな…と。ちょっと複雑な気分…。
YMOの後期のアルバムも三人のメンバーが揃ってレコーディングすることが少なくなっていたこと、「音楽図鑑」のレコーディング期間が1年8カ月間の長期にわたっていることを考えると、ある意味で当然の帰結かもしれませんね…。
肝心のディスク2ですが、一聴してこれが懐かしい「デモテープ」の味わい!
と言うか、言われてみれば、全くその通りなんですね、未発表曲と未発表バージョンで構成されているんですから。
個人的に一番気に入ったのは、1曲目に収録された「M2 BILL」でしょうか。
「音楽図鑑」には山下達郎がギターで参加している曲が何曲かあるのですが、この「M2 BILL」では、山下達郎のコーラスを聴くことができます!
コーラスと言えば、3曲目に収録された「SELF PORTRAIT」の未発表バージョンでは吉田美奈子のコーラスを聴くことができるんですが、いずれも最終的にはボツになったということですよね…なんと、もったいない!
腕利きの一流ミュージシャンの膨大なアウトテイクから厳選して抽出されたアルバム…誤解を招くかもしれませんが、「彩(エイジャ)」や「ガウチョ」等の数々の名盤を残したスティーリー・ダンを何となく思い出しました…。
1980年代当時の坂本龍一の曲を再び聴くことができるだけでも価値があると思います!
「オリジナル盤」や「完璧盤」もありますが、未発表音源が聴くことができるのは「2015 Edition」になります。
ソロとなってからのスティングが世に送り出した名曲の数々の中でも屈指の一曲ではないでしょうか…。
原作にかなり忠実なんだけどなにか物足りない…「八つ墓村」
こんにちは、カズノコです。
NHK-BS「スーパープレミアム」金田一耕助シリーズ第3弾「八つ墓村」が放送されました!
今回の金田一耕助は吉岡秀隆が続投しています。前作の「悪魔が来りて笛を吹く」でもなかなかの好演でしたが、作品そのものは賛否両論でしたね…。
今回は「八つ墓村」…「八つ墓村」を原作として映像化されたのは、過去に映画が3本、ドラマが今回で7本目となり、10回の映像化は横溝作品の中では最多です!
吉岡版金田一は若干キャラクターとしての弱さもありましたが、その点でも「八つ墓村」は最適かと。この作品での金田一耕助は「傍観者」的な立場が強く、あくまでも主役は「寺田辰弥」(このドラマでは「井川」姓で、村上虹郎が演じています)で、辰弥の視点で物語が語られているからです。
「八つ墓村」は探偵金田一が謎解き推理をするというよりも、辰弥青年による、とある村の鍾乳洞に隠された埋蔵金をめぐる「愛と冒険の物語」なんですね!(とも違うかな…?)
まず、今回のドラマを見て驚いたのは、2時間の尺のドラマでこの長編に登場するキャラクターをほぼ省略せずに登場させていること!
何度も映像化されている横溝作品ですが、登場人物をばっさりカットしたり、二人を一人にしたり、エピソードそのものも省略したり、設定を変えたりするのはざらにあることです。
むしろ、今回は登場人物を極力省略せずにできる限り登場させたため、一人一人の登場シーンは逆に少なくなり、キャラクターの印象がそれほど残らないのが、難点でしょうか?
また、エピソードもたくさんありすぎるので、映像化にあたっては、尺に合わせてどの部分を削ってどの部分を残していくかが、難しいところでしょう。この取捨選択で物語の方向性が変わってきますから。
今回のドラマでは原作に非常に忠実なシナリオでありながら、見せ場をなくしてしまった感があります。その最たるものが、田治見要蔵による村人大虐殺シーンでしょう。
「八つ墓村」と言えば、「たたりじゃあ~!」の名セリフで知られる1977年に映画化された渥美清が金田一耕助を演じた野村芳太郎監督の松竹映画「八つ墓村」を思い出す人が多いと思います。
あの映画での「八つ墓村」は完全にオカルト・ホラーと化していましたが、インパクトは相当なものでした。芥川也寸志作曲の「惨劇・32人殺し」にのって、桜吹雪舞う中、疾走する白塗りの山崎努(=要蔵)の姿はトラウマになっています…。
その後も数々の「八つ墓村」で多くの名優が田治見要蔵を演じてきました…。
今回のドラマで要蔵を演じたのは音尾琢真。最近の映画やドラマでしょっちゅう見かける名バイプレイヤーですが、旧家の主である要蔵役となるとどうでしょうか?
要蔵のいでたちはほぼ完ぺき!変な着物に首からランタンをぶら下げ、手には日本刀と猟銃、予備の弾倉を斜めに掛け、頭には懐中電灯を鉢巻きで挟み込み、いわゆる山崎努版要蔵スタイルを踏襲しています。
しかし、今回、まさかの日中の惨劇で「昼行燈」ならぬ「昼懐中電灯」…血しぶきはCGでの合成、子どもでも容赦なく殺すが、反撃に出る村人もいるし、バックに流れる曲も叙情的ではなはだしく迫力に欠ける。まるで白昼夢のよう…。
これはあまりにも山崎努の田治見要蔵が強烈に刷り込まれているからでしょうね…。あの松竹の「八つ墓村」は後から思えば、かなり「異端」の部類になるんですが、自分のが中でスタンダードになっているのが怖い…。
ただ、今回の「八つ墓村」は横溝正史の小説「八つ墓村」を未読の方が見るには、また、映画やドラマでしか「八つ墓村」を見たことがない方にも、かなり原作に忠実なドラマだと思いますので最適です!
エンドロールで磯川警部が金田一を事件解決後の静養先として、「亀の湯」に誘っているシーンがあります。ということは次の作品は…⁉︎
あと、このドラマである意味一番トラウマに残りそうなシーンは、エンドロールのあとの最後の最後で、「〇〇が無言で✕✕する」シーンでした…。NHKもやるのお…。
横溝正史の映画化作品と言えば、石坂浩二と市川崑監督がタッグを組んだ作品と並んで必見の名作です!
実は…ドラマで金田一耕助を演じた吉岡秀隆の映画デビュー作でもあります!
市川崑監督で金田一と言えば石坂浩二ですが…この「八つ墓村」ではトヨエツが演じています。一番の見どころは一人で小竹・小梅を演じた岸田今日子の怪演でしょう!
放送コードはどうなった?怒涛の展開を見せる「悪魔が来りて笛を吹く」
こんにちは、カズノコです。
NHK-BS「スーパープレミアム」金田一耕助シリーズ「獄門島」につづく第2弾「悪魔が来りて笛を吹く」では、金田一耕助がいきなり長谷川博己から吉岡秀隆にチェンジ!
「えっ、今回は長谷川博己じゃないの…」という声が聞こえてきそうですが、正直って長谷川博己の金田一耕助ももう少し見たかったですよね…。
前作の「獄門島」のつながりが全く感じられないほど、金田一のキャラクターはすっかり変わってしまっています!
まず、いつも困ったような顔をしている誠実な吉岡秀隆が演じているせいか、やさしさとあたたかみがあっても常に遠慮がちでおどおどしていて頼りないんですよね…。
石坂浩二や古谷一行が演じてきた過去の金田一耕助は、ひょうひょうとはしてもどこかヒーロー然として頼れる存在でした。
吉岡版金田一のキャラクターは「悪魔が来たりて笛を吹く」という原作をドラマ化したからかも知れません。原作は、貴族の没落を縦軸に、インモラルでタブー視される性関係を横軸に、どちらかと言えば暗く救いのない話が続きます。
そんなドロッとした陰湿な展開を少しでもやわらげるために吉岡秀隆が金田一耕助に起用されたのかと思ったら…とんでもない演出になっていた!
まずは、この物語のテーマでもあるのですが、男女の情交シーンの過激なことと、その多さ!「これ、ほんとにNHKのドラマとして放送していいの?」と心配するくらい、ここまで描写する必要あるのかと…。
「スーパープレミアム」の「金田一耕助」シリーズは比較的原作に忠実にドラマ化するのが特徴ですが、この「悪魔が来りて笛を吹く」に関して言えば、犯人の動機につながる部分について金田一耕助から知らされるまで知らないまま犯行におよぶという、ある意味「???」な展開になり、結果として、さらに凄惨な殺人シーンにつながるという…救いのなさ…。
ドラマの最後、すべてを知った金田一耕助が頭を抱えて「全員、救えたのに~」と泣き崩れるシーンでは、正直見ているこちらが泣きたくなります…。
「悪魔が来りて笛を吹く」は横溝正史の原作の中でも、東京の都心の貴族の邸宅を舞台にしている点で珍しく、また、現実にあった事件を巧みに物語の中に取り入れており、人気のある作品です。
ただ、映画化、ドラマ化するにはチャレンジングな物語だと思うんですよね…。例によってロケをした旧華族の邸宅は素晴らしかったし、吉岡版金田一も決して悪くはないだけに、キャラクターとの相性から言うと他の原作にした方がよかったかもと…。
と思ってドラマを見ていたら最後のシーンに、金田一耕助宛に岡山県警の磯川警部から電話がかかってきて、「金田一さん、八つ墓村で事件です!」と…これは期待できる!