現代最強のスターが命をかけて取り組んだ奇跡‼「ミッション:インポッシブル フォールアウト」
こんにちは、カズノコです。
トム・クルーズの「ミッション:インポッシブル」シリーズについて語っていくシリーズ、今回は第6弾!
「ミッション:インポッシブル フォールアウト」(2018)
前々作「ミッション:インポッシブル ゴースト・プロトコル」(2011)は傑作でした!
と思ったら、前作「ミッション:インポッシブル ローグ・ネイション」(2015)は新たな傑作でした!
では、最新作はハードル超えるには高いぞ…と思ったら、「ミッション:インポッシブル フォールアウト」は軽々と超えた大傑作でした!
監督・脚本は、「ミッション:インポッシブル ローグ・ネイション」から引き続いての登板となったクリストファー・マッカリーですが、何ゆえシリーズの「監督は一作ごとに代わる」慣例を破ってまで、シリーズ初の監督続投となったのでしょうか?
「ミッション:インポッシブル」シリーズは、過去の映画(特にアルフレッド・ヒッチコック監督作品)へのオマージュにあふれたシリーズで、映画の記憶が呼び起こされることが多いのですが、むむ、シリーズも6作目にもなると、「ミッション:インポッシブル」シリーズへのオマージュがあふれている!
アクションひとつとっても、とんでもない高さからの降下しての潜入、カー&バイクアクション、「トム・クルーズ走り」、そしてクライマックスのヘリコプターチェイスと、シリーズでおなじみとなったアクションシーンをさらにスケールアップして見せてくれるのだから、ため息とともに頭が下がります。
このシリーズを1作目から見続けてきたファンにとっても、幸せな記憶が呼び覚まされる秀逸なストーリー&画面展開、驚くべきことに、クリストファー・マッカリー監督はこの映画の脚本を完成しないまま撮影を開始し、本編を撮影しながら物語を組み立てていったと言います。
トムは撮影現場で『いいアクションのアイデアがある!』と直感的に方向性を決めていくタイプのようです。それは「観客の度肝を抜くためのスタントありきのシナリオ」ではなく、トムが自分の分身である「イーサン・ハント」ならこんなエモーショナルな展開でいけると、まともな映画プロデューサーならゴーサインを出さないスタントにチャレンジしていった結果とも言えます。
考えるよりも先に体が動いてしまうそんなイーサン・ハントの活躍をカメラにおさめるために現場で修正し撮影していくのは、いくら脚本家出身の監督とはいえ、至難の業かと思います。クリストファー・マッカリー監督は、そんな映画プロデューサーとしてのトムの要求に応えることのできる数少ない監督なんでしょう。
映画の中でビルの屋上を疾走し、ビルからビルへとジャンプするイーサン・ハント…。このシーンの撮影中にトムは実際に壁に衝突して足を骨折しましたが、撮り直しは出来ないと即座に判断してそのまま演技を続け、実際そのシーンは映画に使われたそうです…。
また、敵のヘリコプターからぶら下がるロープにつかまったまま空高く上昇し、ヘリコプターへ乗り込もうとして落下するイーサン・ハント…。このシーンでイーサン・ハントがヘリから落ちると事前に聞いていなかったベンジー役のサイモン・ペッグはトムが本当に落ちた事故だと思い、「これで撮影も中止だな」と思ったそうです…。
「トム・クルーズはどんどんジャッキー・チェン化、いや、ジャッキー・チェンを超えているやないか…」と、映画を見ている間、ずーっと思っていました…。
ジャッキー・チェンも、「プロジェクトA」(1983)を代表作と認める人が多いと思いますが、この頃のジャッキー・チェンは主演、監督、脚本、武術指導を一人で務め、体を張った限界アクションに挑戦し続けてました。
でも、「プロジェクトA」を撮影していた時のジャッキー・チェンは29歳、
「フォールアウト」を撮影していた時のトム・クルーズはなんと56歳ですよ!
いま、スタントマンやCGに頼らず、トムのレベルのアクションをこなすことのできる、いわゆる肉体派の俳優がいるでしょうか?
いや、スター俳優が危険なスタントに挑戦しようとしても、諸事情により周囲からストップをかけられるのが関の山でしょう。
そんな中で、トム・クルーズは、真っ当なヒーローを説得力をもって演じることのできる、スター俳優として孤高の極みに至ろうとしている奇跡のように思えます。
「ミッション:インポッシブル」シリーズの製作会社であるパラマウントは、早くもシリーズ第7弾を2021年7月、続く第8弾を2022年8月に全米で公開すると発表しました! と同時に、クリストファー・マッカリーが脚本・監督を務めることも正式に決まりました!
トム・クルーズとクリストファー・マッカリー監督は、かつてのクリント・イーストウッドとドン・シーゲル監督、ロバート・デ・ニーロとマーティン・スコセッシ監督のようにタッグを組んで、映画史に残る素晴らしい映画をこれからも届けてくれるに違いありません。
日本語吹替版のキャストが一部物議をかもしていますが、この映画の持つ面白さに比べればごく些細なことです。「映画は吹替」派の皆さんも見逃し厳禁です!